「ちょっと、具合が悪いの…」
遠く離れた場所に住む、高齢の叔母からの、一本の電話。
あなたは、そんな時、どんな感情が、湧き上がってくるでしょうか。
心配と、愛情。
そして、それと同時に、心のどこかで、ふっと湧き上がる、
「なんで、こんなことで…」「大したことないくせに…」
という、黒い**“イライラ”**の感情。
そして、そんな風に感じてしまう、自分自身に対する、罪悪感…。
こんにちは。
「幸せの教室」感情デコーディング・コンセイエの蘭生彩乃です。
実は、今、私は、90歳になる一人暮らし叔母の元にいます。
250km離れた場所から、「少し、具合が悪い」という彼女の声に呼ばれ、駆けつけました。
病院に連れて行けば、発作以外は、特に、大きな問題はない。
生活習慣や、食事を、少し、見直しましょう、と言われるくらい。
正直に、告白します。
初め、私は、とても、イライラしていました。
「なんで、こんなことなのに、いちいち、私を呼ばなければならないの」と。
「今すぐ死んでしまうような、病気でもないのに」と。
私の、大切な時間と、エネルギーが、奪われていくような感覚。
その、自分勝手な思いに、私自身も、深く、傷ついていました。
叔母の世界が、見えた瞬間
**しかし、**この『感情デコーディング』という仕事を、していなかったなら。
私は、永遠に、気づけなかったかもしれません。
叔母の、その「具合が悪い」という言葉の、その、さらに奥。
彼女が、本当に、伝えたかった**「神様の声」**に。
叔母の世界は、どんな世界だったのだろう。
ふと、私は、彼女の人生に、想いを馳せました。
生まれてすぐに、母親を亡くし。
父親は、戦争で、帰らぬ人となった。
幼い彼女は、ヤギのお乳で、育てられた、と。
その、彼女が、今、私の前で見せる、不安げな仕草、か弱い動作。
それは、病気のせいだけでは、ありませんでした。
その姿は、何十年もの間、彼女の心の中に、ずっと、置き去りにされてきた、『小さな彼女』の姿、そのものだったのです。
その『小さな彼女』が、私の心の耳に、直接、語りかけてきました。
「寂しいよ」
「怖いよ」
「一人じゃ、寂しいよ…」
“イライラ”の仮面の下にあった、私の本当の涙
その声が聞こえた瞬間、私を支配していた、あの、頑なな「イライラ」の氷が、すーっと、溶けていくのが、わかりました。
そして、その奥から、溢れ出してきたのは、叔母への、そして、叔母の痛みに気づけなかった、私自身への、温かい、涙でした。
叔母は、私に「介護」を、求めていたのでは、なかった。
ただ、「そばに、いてほしかった」。
ただ、それだけだったのです。
私は、しばらく、彼女と、ただ、一緒にいる、という選択をしました。
何か、特別なことをするわけでもなく。
ただ、同じ家の中で、同じ空気を吸い、同じ時間を、共有する。
それだけで、彼女の表情が、日に日に、穏やかになっていくのを、私は、目の当たりにしています。
叔母には、本当に、一人で、寂しい思いをさせてきてしまった。
これから、具体的に、どうしてあげられるのか、まだ、答えは、見つかっていません。
しかし、
一つだけ、確かなことがあります。
私の心から、あの、トゲトゲした「イライラ」が消え、ただ、叔母の存在そのものへの、**温かい「優しさ」**が、湧き上がってきている。
この、私自身の内側で起きた「変容」こそが、今の私にとって、何物にも代えがたい、大きな、大きな、成果なのです。
もし、あなたが、親に対して、あるいは、誰かに対して、コントロールできない「イライラ」を感じているのなら。
それは、チャンスです。
その感情の奥にある、相手の、そして、あなた自身の、『小さなあなた』の、本当の声を、聴きに行く、最高の扉なのですから。
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